NQカバコ(2865)はタコの足食いでないのか?

グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF(2865)

セミリタイア生活に向けて準備をする中で、インカム資産を少しずつ積み上げていっています。

放っておいても勝手にキャッシュフローを生み出してくれるインカム資産。具体的な選定をしていく中で、利回りは非常に重要な要素のひとつです。

日本のペーパーアセットでメジャーな高配当株やREITでは、配当利回り4-5%程度がだいたいの限界ラインです。もっと他になにかないのかという中でリサーチをしながら出会ったのが、グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF(2865)です。

分配利回りが脅威的で、東証に上場しているETFながら9.2%もあるので、非常に魅力的。

一方で、良い話にはそれなりのリスクがあるのが投資の世界、いや、世の常というもの。2865がどんな商品なのか、また、この高配当はタコの足食いではないのか?が気になり調査しました。

2865はQYLDの日本版

2865は、他の記事でも触れた米国のQYLDというカバードコールETFに投資をしています。つまり、QYLDの東証上場バージョンということになります。

QYLDはNASDAQ100銘柄に投資をしながら、コールオプションを売ることでインカムを稼いでいます。ものすごい雑に言うと、ぼくたちが株を保有しながら貸株でお小遣い稼ぎをしていることの上位互換をやっているようなものです。

2865が高利回りなのは、QYLD自体が11%の高利回りを実現してることに起因しますので、QYLDがタコ足でないかどうかが最重要なポイントです。

2865およびQYLDを運営しているグローバルXのホームページにて公式の資料を調べてみることにしました。

QYLDの月次の分配は「獲得したオプション・プレミアム の半分」か「NAV(純資産額)の1%」のいずれか低い方に上限を設けている

ということが確認できました。オプション・プレミアムの金額次第で下振れる可能性はありますが、資産元本を取り崩しているわけではないため、一定の分配金の継続性はありそうだと期待できます。

一方で、QYLDの分配利回りは11%なのに、2865が9%というのは気になるポイントです。こちらも調査・検討をした結果、2つは理由がありそうです。

1つ目の理由は、円安の進行です。2%の差分のうち、0.5%程度は、円安が進んだことが影響していそうです。分配金は少しずつ円安が反映されますが、純資産基準価格は直近の円安なので、過去12ヶ月の分配金と基準価格から計算される分配利回りは低めに出ることとなります。

2つ目の理由は、日本のファンドで分配金を決める際の四捨五入ルールによるものです。例えば2024年3月の場合の開示資料を下図に抜粋していますが、分配対象金額を普通に計算すると100口あたり996円となりますが、これを四捨五入して900円にする工夫が施されています。

おそらく、保守的な資産管理の観点から実施しているものと思われます。2865が毎月同様の計算をしているため、その分純資産額が積み上がることとなるため、投資家が損をするものではありませんが、結果として分配金利回りは低くなります。これも毎月均すと0.5%程度影響している試算となります。

残りの1%の差分がどこからくるのかは、日本における管理費や為替手数料などが該当すると思われますが、確認しきれていません。

改めてグローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF(2865)の魅力とは?

別の記事でも書きましたが、米ドル建て資産として見た場合に、JEPQとQYLDを比較した場合には、基準価格の上昇分も含めたトータルリターンの高いJEPQのほうが有利だと考えています。

一方で、米国ETFの場合、配当金に対して10%が現地で源泉徴収をされるため、確定申告にて外国税額控除を申請する必要があります。

他方で、2865の場合は、二重課税調整があらかじめされているため、確定申告の手間がかかりません。また、常に円ベースで配当(分配金)の振り込みがされるため為替のタイミングをはかるような手間やストレスがありません。

最終的にはドル建てのJEPQに一本化をするかもしれませんが、円建てで簡単に運用できる点も含めて魅力的ではないかと思われますので、しばらく保有して様子をみてみます。

※本投稿は、特定の個別資産への投資を推奨するものではありません。投資は自分で考え、自己責任で行うようにお願いいたします。

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