米国株カバードコールETF:JEPQとQYLDのどちらが優秀なのか?

米国株カバードコールETFの二台巨頭:JEPQとQYLD

米国株カバードコールETFのトップリーダーと言えば、やはり、JEPQとQYLDでしょう。

ともにNASDAQ100銘柄を原資産としながら、コールオプションを売ることでオプションプレミアムを稼ぎ、高配当を実現していることは共通しています。

ちなみに、カバードコール戦略とはなにかというと、上記の通り、現物資産を保有しながら、その資産を特定の価格で買う権利(コールオプション)を売ることで、オプション料(オプションプレミアム)をチャリチャリと稼ぐ戦略のことです。

ともに驚異的な高利回りを実現している二銘柄ですが、コールオプションに関わる戦略の違いにより、株価(基準価格)の推移に大きな差が存在しており、配当を含めたトータルリターンにも大きな違いを生み出していることはあまり知られていないかもしれません。

今回は、インカム銘柄として有名なJEPQとQYLDの違いとともに、どちらがセミリタイア生活に適しているかを考えてみます。

JEPQとQYLDのパフォーマンス比較

それでは、まず、JEPQとQYLDのパフォーマンスにどのような違いがあるのかみてみましょう。

インカム銘柄として重視をしたい、配当利回りをみてみると、JEPQ 9.71%に対して、QYLDが11.42%と優位になっています。

他方で直近1年間の株価(基準価格)推移をみてみると、JEPQが15.99%と堅調であるのに対して、QYLDは0.74%とかろうじてプラスを維持しています。

両者の合算ベースでみてみると、JEPQが約26%のリターンを出しているのに対して、QYLDは約12%と後塵を拝しています。

なぜ、似た性質のETFにも関わらず、ここまで大きなパフォーマンスの差が生まれるのでしょうか? それは、各ファンドが掲げるカバードコールオプション戦略の違いに起因しています。

ここから先は、各ETFの開示資料をもとに紐解いていきます。

JEPQのカバードコールオプション戦略

JEPQを運営するJPMorganの資料によると、JEPQはout of the moneyのコールオプションを売っています。つまり、原資産の時価よりも少し高いところをstrike priceとしたコールオプションを売っているのです。

それにより、そこそこのオプションプレミアムを獲得しながらも、一定の値上がりアップサイドを狙いにいく戦略と推察することができます。

QYLDのカバードコールオプション戦略

それに対して、QYLDを運営するGlobal Xの資料によると、QYLDはat the moneyのコールオプションを売っています。つまり、原資産の時価をstrike priceとしたコールオプションを売っているのです。

それにより、最大限のオプションプレミアムを獲得することに振り切っており、値上がりアップサイドは完全に放棄をしていることが推察されます。

株価上昇局面においてはJEPQ有利と判断

株価上昇局面においては、JEPQがそこそこ高い配当利回りと株価の上昇を実現しており、優位に立っています。

QYLDは配当利回りは高いですが、株価はほぼフラット。両ファンドともまさに戦略通りの結果になっています。

もし、今後、市場が下落基調になると想定するのであれば、QYLDが優位となるタイミングがくる可能性もあります。

一方で、米国株は長期的には右肩上がりの上昇トレンドにありますので、長期投資を想定するセミリタイア生活においてはJEPQのほうが適していると判断します。

なお、東証のETFにおいては、QYLDと連動した2865(通称カバコ)がありますが、JEPQと連動した東証ETFはまだ存在しない認識です。

※本投稿は、特定の個別資産への投資を推奨するものではありません。投資は自分で考え、自己責任で行うようにお願いいたします。

コメント

タイトルとURLをコピーしました