米国高配当ETFの投資アセットとしての魅力
長期投資を実践する上で、米国の高配当ETFは以下の理由から魅力的な選択肢のひとつと考えています。
- 米国は継続的な経済の拡大が予想され増配が期待できる
- 個別株と比較して、手軽に分散投資が可能
- 米ドル建てであるため円通貨以外のリスク分散が可能
米国高配当ETFの3大スターの比較:VYM、HDV、SPYD
米国高配当ETFと言えば、有名なのは下記のVYM、HDV、SPYDの三兄弟でしょう。
- VYM: バンガードが運営しており、約400銘柄に投資をしておりセクターの方よりが少なく分散が効いている
- HDV:ブラックロックが運営しており、主に消費財、生活必需品、エネルギー、石油・ガス、電気通信セクターの75銘柄に投資
- SPYD: ステートストリートバンクが運営しており、S&P500のうち配当利回りの高い80銘柄に投資
この3ETFを比較してみると、米国高配当株を対象としているテーマは共通ですが、細部においては思ったよりも差分があることが分かりました。
3 ETFの直近5年間の株価推移と主要KPIを下図にまとめています。
実はこの数値比較をする前に、最初に興味を持っていたのは、三兄弟の中で最も配当利回りが高いSPYDでした。配当利回りが4.88%あるのに対して、他の2ETFは3.5%程度です。
一方で、インカムゲインとしての配当利回りだけではなく、将来的なキャピタルゲインも想定した株価(基準価格)のパフォーマンスも含めてみると、SPYDの5年トータルリターンは年率3.8%ほどしかなく最劣後でした。さらには、コロナショックにおける株価下落も最も大きかったですね。おそらく組入銘柄に占める不動産セクターの大きさが影響していることと想像します。
5年トータルリターンで最もパフォーマンスが高かったのは約400銘柄に分散投資をするVYMでした。コロナショック時の下落幅も一番小さかった優等生です。
HDVのパフォーマンスはちょうどVYMとSPYDの間くらいでした。
思わずSPYDの配当利回りの高さに脊髄反射で飛びついてしまうところでしたが、冷静になってトータルリターンを定量的に比較してみてよかったです。
将来的な円転時を想定しVYMを選択
セミリタイアをしていく中で、投資によるインカムゲインは貴重なキャッシュフローになってきますので、最も配当利回りの高いSPYDがベストという考え方もあるかもしれません。
一方で、ドル建て資産になるため、将来的に為替が大きく円高に振れるトレンドが見えてきたタイミングでETFを売却し円転させる可能性もあります。本来は長期投資なので、10年でも20年でも持つつもりではいますが、生活資金が円なので、どうしても売らなければいけないタイミングというのが予期せずに到来するリスクを考慮しておきたい。
そうなると、配当だけではなく、キャピタルゲインも踏まえた基準価格の推移も重視することが賢明だと考え、この三兄弟の中では、最もバランスの良いVYMに投資をすることとしました。
※本投稿は、特定の個別資産への投資を推奨するものではありません。投資は自分で考え、自己責任で行うようにお願いいたします。
コメント