中古の戸建物件を内見にいったときの感想
2015/07/20
家を買いたいと思っています。
このあいだ中古の戸建物件を内見してきました。生まれて初めての内見ということもあって、一般的な内見がどんなものか想像がつきませんが、僕たち夫婦にとっては非常におもしろい体験だったので、ここでシェアしたいと思います。
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静かな住宅街の小さな家
梅雨の合間の晴れた週末、少しばかり蒸し暑さを感じる昼下がりに、不動産屋と最寄駅で待ち合わせをし、件の物件まで歩きました。
買い物などでよくいく都心の一角にある小さな戸建。利便性と住環境の良さを兼ね揃えたその都心の一角に住みたいと思っていたぼくたちは、しばらく前からSUUMOに掲載されているのをめざとくみつけていました。
JRの最寄駅から歩いて7-8分、住宅街に入ると民家の庭先に揺れている葵の花が梅雨の終わりが近いことを告げてくれます。
ぼくらが内見をするのは家はそんな穏やかな住宅街のなかほどにあります。13坪の土地に建てられたこじんまりとした木造3階建て。以前から近くを通るたびにチェックしていた物件。きょうも確かにこじんまりとしています。外からみても狭そうだなと思ってはいたけれど、中をみずにモンモンとするよりも、一度見ておいたほうがよいと思い立って予約した内見でした。
ネイビーブルーに塗られた外壁。一階は駐車スペースになっており、奥に玄関の扉。2階と3階がその駐車スペースの上にせり出すように作られた、都心でよくみかけるタイプの狭小住宅です。
退去済みだと思ってたのに・・・
駐車スペースには車も自転車もなく、郵便受けからはチラシがはみ出ているので、もう住んでいないのだろうと思っていましたが、不動産屋いわく「今日は内見ということでオーナーさんには外出していただいていますので遠慮なくみていってください」。
「えっ?まだ住んでいるんですか?」思わず口をついて出てしまいました。「物が全然おいてなさそうだし、何度か前を通ったときにも住んでいる気配は感じませんでした」とストーカーまがいの余計なことまで言ってしまいました。
さて、ドアを開けてもらうと、確かに狭い玄関に黒い革靴がいくつか並んでいたので確かに住まわれているようでした。
建てられて半年の真新しい物件な上にまだ人が住んでいるということで、持参したスリッパの出番はありませんでした。
1階は玄関とトイレ、洗面所、脱衣所、そしてその奥にお風呂。お風呂はかなりゆとりのある造りで広く感じました。うーん、お風呂にこだわりがある人なのかな。
つづいてらせん状の階段をのぼって2階へ。広いキッチンがあり、カウンター越しにリビングとベランダへと続きます。キッチンの窓とリビングの窓を開けると、気持ちよく風が通るので、もしかしたら夏でもエアコンがいらないかもしれない、などと楽しい妄想が膨らみます。
一方で懸念なのはやはり狭さ。とくにらせん階段は引越しで家具を運び入れるときのネックになりそう。ベッドやタンス、冷蔵庫なんかここをうまく回しながら運び入れできるかしら。
あとはキッチンとリビングのバランスも気になるな。キッチンのスペースをもうちょっと詰めて、リビングを広くとってもよかったんじゃないかなぁ。料理にこだわりのある人なのかなぁ。
悲しい物件
なんて引越し後の生活を想像しようとしていたのですが、少しずつこの家の異変に気づきます。
まず気になったのはそもそもの家具の少なさ。リビングには何も家具がおかれていないんです。テーブル、イス、ソファ、テレビすらない。キッチンには小型の冷蔵庫があるだけで、食器棚や電子レンジもありません。備え付けの食器洗濯乾燥機はテープが貼られたままの未使用状態。ガスコンロは少しだけ使った形跡があるので、カップラーメンのお湯でも沸かしたのでしょうか?料理にこだわりのある住人ではなかったみたいです。
玄関の革靴といい、このキッチンと殺風景なリビングといい、間違いなく男性の一人暮らしです。それもかなりワケ有りそうな。
3階は寝室が二つあり、一部屋は物置、もう一部屋をベッドルームとして使っているようでした。簡易なシングルベッドが一つとその横の座卓の上にテレビが置いてあるという状態でした。
物件自体は、うん、確かに狭い。狭いのは知っていたし、別に生活に支障をきたすほどの狭さではないけれど、やっぱりもうちょっと伸び伸びと暮らしたいなと思ってしまう狭さ。いやもちろんね、都心のこの一角に広い家を買うのは相当経済的に余裕がないとできないのはわかっているので、ぼくたちに手が届く範囲としてはこのくらいの物件が妥当なのかもしれないけど、「よし、気に入ったから買おう!」と前向きに思えるわけではなかったのです。
「引越し先の物件」としての興味がなくなると急に興味がでてきたのが「オーナーはなぜ建てたばかりの家を売りに出しているのか」ということ。
ストレートに不動産屋にきいてみましたが、「勤務先が変わるみたいなのですが、まだ時間的に余裕があるみたいで急いでいるわけではない」というかなりぼやけた回答でした。
ぼくたち夫婦はこの説明をきいて、アイコンタクトでお互いの予想を伝えました。
「婚約解消だな、これは」
オーナーの人生を勝手に想像
ぼくたち暇人夫婦のペルソナ分析はこうです。
結婚を予定していた男性が、未来の奥さんのために家を建てた。二人で楽しく料理を作ろうと考えてキッチンを広くとったんじゃないか。奥さんが伸び伸びお風呂に入れるようにと、バスルームの広さにもこだわったのではないか。
しかしながらなんらかの理由で婚約解消となってしまい、夢見ていた新婚生活は雲散霧消してしまった。建ててしまった家はどうしようもない。せめて資金は回収したいと考えて売りに出す。売ったあとは賃貸マンションにでも暮らそうと思っているのではないか。いつ売れてもおかしくないので家具は運び入れられない。だからガランとした一軒家で孤独にカップラーメンをすすっているのではないか。
そんな売主の哀愁に満ちたこだわりの家をわれわれ暇人夫婦が興味本位で内見にきてしまったことが、急にいたたまれなくなってきました。
そろそろ用事があるのでと不動産屋に切り出すと、向こうもぼくたちには脈なしと見切ったのか、引き止めることもなく、「自分は最後に戸締りをしていくので」と言いながら、ぼくたちを玄関で見送ってくれました。
少しさみしそうな営業スマイルを浮かべる30歳前後の不動産屋の男性。実はこのひとがオーナーなのではないかと思いながら玄関のドアを後ろ手に閉めると、郵便ポストからはみでたチラシが静かに風にはためていました。
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